──おふたりの第一印象を教えてください。
山崎(以下「山」):私が新入社員だったときに初めて配属されたのが、大河原所長の担当していた現場でした。第一印象は「すごく優しそうな人だなあ。良かったあ」という感じです。
大河原所長(以下「大」):最初だけでしょ。
山:そんなことないですよ!それと、たまたま同じ大学・学科の先輩でもありますので、昔の先生の話などをすることもありますね。ただ、もちろん仕事に関しては、厳しくチェックされる方だなとは思いました。
大:実は、土木施工管理はしばらく新卒採用をしていなかったので、山崎が久しぶりの新卒の社員でした。仕方ないことではありましたが、こちらの指示の意図やニュアンスがなかなか伝わらないことはよくありましたね。
山:そうですね…。当時は、指示されたことに対して「とにかく何かやらないと」という気持ちが先走ってしまいまして、全然意図の違うことをやってしまったことも多々ありました。
大:私も新卒を教えるという経験が少なかったので、「こう言えばこう伝わるもの」と思って指示を出していたため、ときには厳しく指導をすることもありました。ただ、途中から「ちゃんと分かるように指示をしないといけないんだな」ということに気づき始め、指示の仕方も少しずつ変えていきました。そういうことに気づかされたのも、彼が配属されてきてからですね。
──逆に、山崎さんが教わる際に意識していることはありますか?
山:失敗しないようにしようと心がけてはいますが、実際はなかなか難しいですね。ただ、例えば一緒に仕事をするときなどは、指示をこなすだけではなく「何をしてほしいんだろう」「何をしようとしているんだろう」というのは意識するようにしています。それで、「次はこれが必要かな」と考えて、道具を渡してみたり声をかけたりするようにはしています。
──現在の仕事内容について教えて下さい。
大:一言で言うと、現場管理業務のすべてです。当社の土木施工は所長になると、1つの現場を1人で担当するケースも多いため、安全管理、品質管理、原価管理、労務管理、工程管理といった現場のマネジメントを1人で行います。
山:私は、先輩の所長が担当している現場に次席という形で配属され、所長に指示を受けて業務を行っています。具体的には、職人への指示を所長から受け、それを職人に伝える仕事や、逆に職人からの意見や質問などに対して、不明点を所長に確認する仕事などを任されています。
大:山崎には、まず現場の安全管理業務を中心に担当させています。それと労務管理ですね。例えば1週間の工程を見据え、職人がいつ何人必要なのか、資材はどういったものがどれだけ必要なのかなどを考えてもらい、実際に手配・発注業務も任せます。後は工事写真の撮影だね。
山:そうですね。お客様などに提出する必要のある写真の撮影も行っています。
大:こういった業務を着実にこなしていくことで、もっと大きな現場の工程管理など、所長に向けてもう少し大きな視野で現場を見る力がついてきます。やることそのものは、所長だろうと次席だろうとそれほど大きくは変わりませんが、見ている視点の違いはありますね。
──視点の違いについて、詳しく教えてください。
大:次席は一つ一つの細かい工程を見ていて、所長はもっと工事全体を俯瞰して見ているというイメージです。現場を1人で任されるということは、この両方の視点を意識していくことになります。上から指示されたことをやるのではなく、日々自分で考えながら現場を動かしていくことになりますので、大変ではありますね。ただ、プロジェクトが終わった後は、「あの現場は自分がやった」という自負を強く感じますので、非常にやりがいを感じられる場だと思います。
山:「自分で考えて動く」という言葉は、社長からもよく言われることですので、強く意識しています。私はまだキャリアも浅いので、日々分からないことが出てきます。そういうとき、私の場合は職人の作業を見ながら素直に彼らに質問するようにしています。もちろん仕事や技術を学ぶためが一番の目的ですが、同時に職人とコミュニケーションを取るきっかけにもなります。現場は職人に仕事をしてもらうことで初めて動くので、職人とのコミュニケーションは常に意識的に取り組んでいます。
──これからどんな社会人、施工管理者になっていきたいですか。
山:仕事人としても人としても、広い視野を持てるようになりたいです。現場の全体を見て判断しないといけないことが多々あります。今は目の前の狭い視野の中での業務ですが、その視野をもっと広げていければ、もっと成長できるのかなと思います。
──所長としてはどんな人間に育ってほしいですか。
大:山崎は、非常に人に愛されるキャラクターで、そういった部分はむしろ私がうらやましく思うくらいです。仕事の話でいうと、彼が話した広い視野にも関係しますが、「自分の仕事だけではなく、会社のために、あるいは仲間のために、何かできること、役立てることはできないか」と考えられる人になってほしいですね。また、「これに関しては山崎に聞けば分かる」というものを、何か1つでもいいので持ってほしいです。