MESSAGE
代表取締役社長 平岩 敏和
建設とは、安全とは何か。平岩建設の現在と未来。
そして、ともに働いていく仲間としてどうあってほしいか。
当社の代表にその思いを聞きました。
建物というのは、多くのお客様にとっては「一生もの」の資産です。気に入らないからつくり直すというわけにはいきませんし、一旦つくったものを手直しするのも大変なことです。だからこそ、品質・安全ということに関しては特に意識しなければいけません。お客様の信頼も、そうした一つひとつの品質・安全の積み重ねから得られるものです。
「安全」には様々な意味があります。安全な建物や地域の安全を確保するための土木事業など、安全そのものをつくること。つくる際の工事を安全に行うこと。さらには、建てた後の安全にも気をつけなければいけません。耐震改修やメンテナンスはもちろんのこと、自然災害などから地域の安全を守る、ということも大事な仕事の1つです。
当社も、2016年の台風9号による大規模な災害が発生した際に、河川側へ傾斜した住宅の撤去作業を行いました。家屋が落下して河川を閉塞すると、周囲に大規模な二次災害が発生する恐れがあったため、事態は急を要しましたが、協力会社や周辺住民のご協力もあり、無事大きな被害なく作業を完遂することができました。この功績により、埼玉県から表彰もいただいています。
地域の安全・安心の確保というのは、建設業に携わるすべての人にとっての大きなミッションです。責任は重いですが、その分やりがいはありますし、地域の住民から感謝・信頼されることは何よりの誇りです。
日本社会が現在直面している少子高齢化、人口減少は、建設業にとっても大きな転換点です。市場が円熟し、徐々に「建てる・増やす」ことよりも「維持する・解体する」という方向へシフトする中で、日本の建設業としてどうあるべきかが問われています。
その選択肢の一つが、海外展開です。当社では、ベトナムに事務所を構えて社員を常駐させ、日本企業のベトナム進出を建設から支援するサービスを始めました。成長著しいアジアの地域に、これまで培った建設のノウハウ・技術を活かして、何か役に立てることはできないか。そんな思いから事業を始動しています。
ベトナムには、以前から日本の大手建設会社も参入していますし、もちろん現地の建設会社もあります。その中で、どうやって信頼を獲得していくか。私たちは、「日本品質をそのままベトナムに持っていく」ということにこだわっています。特殊な素材以外は現地の材料を使い、現地の建設会社を動かしていますが、品質は日本の高いレベルを維持した建物をつくっています。そのために、現地に経験豊富な所長社員を複数常駐させ、彼らがしっかり現場を管理しています。プロジェクトの規模の大小に関わらず、日本人技術者が常駐管理している企業はほとんどありません。
当然、高い品質を維持するためには、現地の建設会社の技術力を高めることも求められます。当社では現地のプロジェクトでの指導だけでなく、継続的に技能研修生を日本に招き、品質への理解度や技術の修練を行っています。だからこそ「日本品質をそのままベトナムに持っていく」ことを実現できます。
このプロジェクト。いずれは個人を含めた、日本の文化や品質を評価している現地のお客様などにも提供できるようにしていきたいと考えています。まだ挑戦は始まったばかりです。
海外というテーマで付け加えますと、日本国内においてもグローバルな価値観を持つことは必須になってきています。建設現場でも外国人労働者が年々増加していますし、訪日外国人も増え続けています。当社にも先述した技能研修生のほか、ベトナムや中国などの海外出身の社員もいます。初めて採用したときは、入社後しばらくは身構えたり戸惑ったりする社員もいましたが、今ではもうすっかり慣れています。
所沢自体も、「COOL JAPAN FOREST 構想」をかかげ、地方創生やインバウンド効果を期待した施設の建設や大型プロジェクトを進めるなど様々な取り組みを行っています。社会は刻々と変化しています。大事なことは、旧態依然とした価値観や「建設会社だから」「この規模の会社だから」といった先入観に捉われず、常に挑戦する心を持つこと。既存のものに対して疑いなく「これで良い」と考えずに、「何か変えていきたい」「挑戦したい」と思う気持ちを持ってほしいです。
学生へのメッセージ
私が経営者として、当社に入ってきてほしい方に伝えることは、「前向き感」です。分からないことが出てきたとき、すぐに誰かに「どうしましょう」と答えを求めるのではなく、自分で考え、「こうした方がいいと思いますが、いかがですか」と言えること。眼前の課題に対し「難しい」「できない」ではなく「何かできる方法がないか」と考えること。ワクワク感を持って挑戦する心。その思いが、人を前に進めます。
思い返してみると、私のこうした考えの根源にあるのは、実は学生時代の遊びです。例えば、仲間と一緒に遊ぶとき、遊びの企画を考えると思います。そのときにいかに仲間に喜んでもらえる企画を考えられるか。そこに明確な答えはありませんよね。勉強や資格取得ももちろん大事ですが、それに加えて旅行や遊びなど、学生にしかできないこと、学生ならではのものを堪能してもらいたいです。